Project

伝統産業継承プロジェクトのひとつとして、長井市の伝統祭事である〈黒獅子祭り〉で使用される「草鞋」の動画制作などを行い、地域に入り込み文化に関わるプロジェクトです。
 　むかで獅子と呼ばれる黒い獅子のの幕の中には、草鞋を履いた舞い手が約２０名入ります。草鞋を履く文化が残っているにも関わらず、近年、長井市内で草鞋を入手するのが困難になってきています。草鞋生産者の高齢化が主な原因と考えられていましたが、その他にも様々な理由があります。中でも材料となる丈の長い稲藁が手に入りにくくなっていることにフォーカスし、その地域に合ったシステムを共に考えました。
 　草鞋づくりが衰退していることを受け、自分たちで作り方を習得してワークショップで広めながら、地域での持続可能な方法を考え、実践から普及までのプロセス・方法を紙媒体や映像に記録しています。

伝統産業継承プロジェクト

workshop

黒獅子祭りで履かれる草鞋が、近年入手困難になってきている事を受けて、アメフラシで草鞋の編み方を習得。稲藁を束ねて撚りをかける「縄ない」から、その縄を使って草鞋を編む方法を学び、作り方を記録しています。　
 　2016年から図解を元に縄ないや草鞋づくりのワークショップを継続して行っています。

草鞋づくりワークショップ

movie of WARAJI

2018年、草鞋の作り方を記録した教材を兼ねた映像と、草鞋を履き続けたいと言う長井市勧進代の獅子連の若衆が、草鞋のためだけに植える穂の長い稲作りを手伝う２年がかりの映像作りが始まりました。
 　映像が完成した翌年の2020年、勧進代では昨年と同じように、若衆たちが草鞋用の稲づくりを手伝う取り組みが続けられています。田植えから収穫、稲藁の下処理、草鞋づくりのワークショップまで。草鞋を履き続けたい人々が協力して自分たちの草鞋を編めるところまでのサイクルができたら、無理なく自然に、草鞋を履く文化が続いていくかもしれません。

https://www.youtube.com/watch?v=sA7kdXOzNho

草鞋づくり継承のための教材映像「草鞋をつくる」

movie of INAWARA

https://www.youtube.com/watch?v=CjTeaNQ1y2U&t=413s

"稲作りから草鞋を作る"映像作品「稲藁をつくる」

Waraji PROJECT

草鞋プロジェクト

<h2 id="h5af01e87a3">Kosyauの壁 -Cut out-</h2>　東北芸術工科大学の開学30周年記念展に出品しました。 　Kosyau（こしゃう）のコンクリート部２階に設置されていた木造の壁を撤去して移築した建造物に、アメフラシのこれまでの活動をまとめた作品です。<img src="https://images.microcms-assets.io/assets/0c04d65758024f2f89ee1627e21490dc/68a0d11285ba4c5a86c81e3b325156b8/DSC00748.JPG" alt=""> <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/0c04d65758024f2f89ee1627e21490dc/857812f76433462db37d733533c76a6c/220906_132.jpg" alt=""> <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/0c04d65758024f2f89ee1627e21490dc/7893dcb75bc741d9be8d33ceee4935d7/220906_143.jpg%20.jpg" alt=""> <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/0c04d65758024f2f89ee1627e21490dc/a7fac0df635e423e8f39a6f35c151e69/220906_184.jpg" alt=""> <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/0c04d65758024f2f89ee1627e21490dc/2cd5e7bae583400ab62056a4373785ce/220906_194.jpg" alt=""><h2 id="h3b4b0cb6ef">Cut out -Garage shop-</h2>　Kosyauを再現する為、展示作品内の一部でKosyau Garage shopを設置しました。印刷会社に残された紙を再利用した「アメフラシノート」や古物を販売。来館者の善意に頼った物販スペース。 <h2 style="text-align:justify" id="h9707d3a59a">概要</h2>[ 開催概要 ]日時：2022年9月3日（土）〜25日（日）10:00-17:00場所：東北芸術工科大学　THE TOPキュレーター：小金沢智アートディレクター：小板橋基希（akaoni)

Art Works

アメフラシのArt Works

長井市内の廃工場をリノベーションしながら活用するプロジェクトです。
 　市内から出る廃材を全体の数パーセント使用し、資材を循環させながらリノベーションを行う、新しい場作りや継続可能な資材活用の実験の場としています。キッチンカウンターの側面には、木造部分で床板として使われていた材を再利用しました。
通常はアメフラシの事務所兼活動拠点となっています。

Kosyauプロジェクト

History 1

季節や土地のイベントに合わせて用途を変容させる形で、自分たちの拠点でもありながらスペースの在り方が変化していく、市民アトリエ「Kosyau（こしゃう）」。スタジオ・ショップ・飲食スペースとしての活用やイベント、ワークショップなどを開催し、地元住民の方々と共にワークショップ形式でものづくりの場を創造しています。
 　建物自体を作品と見立てて、改修を含めたものづくりを軸として、芸術や文化に触れられる『市民アトリエ』のような役割を持つ場になることを願って活動しています。Kosyau（こしゃう）は山形県置賜地方の方言で、「つくる」の意から。

Kosyau（こしゃう）

History 2

ワークショップを主体としたリノベーションを実施し、建物自体を作品と見立てて手を動かすことで、ものづくりを身近に感じてもらう場を目指しています。天井や壁の撤去から、掃除、床貼り、壁貼りなどをワークショップにし、メンバーだけでなく色々な人が関われる形態を目指した。自らの手を入れた思い出と共に建物に愛着をもってもらうことも目的としました。
 　変化が激しい時代のニーズに合わせられるよう、スペースの役割を固定せず、時代や地域の人たちの動きに合わせたフレキシブルな場として運営している。敢えて工期を急がず、実際に使用しながら施設の使い方を考え、時代に合った形に変化させやすいという特性も持っています。

『市民参加型旧工場再開発計画』　

History 3

プロジェクトで改修している建物は、山形県長井市に本社を置いて印刷業を営んでいた『芳文社』の元工場です。およそ明治の頃から印刷業を生業とし、大正から昭和の高度経済成長期の時流に乗り、事業を大きく拡大していきました。
 　事業拡大に合わせた新しい印刷機の導入や事業展開のために、勢いに任せて増設していった工場群は、木造・鉄筋・鉄骨といった三種類の建築構造体が連なった、当時の隆盛を物語る奇妙で興味深い建造物となっています。

旧芳文社工場

Kosyau PROJECT

Kosyauプロジェクト『市民参加型旧工場再開発計画』

　生活様式が変化する社会において、衰退しつつある伝統や文化は失くなっていく方が自然なのかもしれません。
　このプロジェクトにおけるアーティストは、次の人へ受け渡すため一時的に伝統産業などの技術を継承しストックする、装置やプラットフォームとしての機能を持っています。

アーティストの冬仕事

concept

　〈アーティストの冬仕事〉は伝統産業・名産品として販売されていた「金井神箒」が市場から消えた事から端を発するプロジェクトです。組合最後の箒職人から、素材となるホウキモロコシの種を譲り受け、素材の栽培・作り方を一から習い、研究を続けています。かつての農家の冬仕事になぞらえた〈アーティストの冬仕事〉では、失われていくものを復活させようとする事で生じる矛盾とも向き合いながら作品を展開しています。

アーティストの冬仕事 | 金井神ほうき

history

山形県長井市の金井神（かないがみ）地区で作られていた箒。材料となるのは「ホウキモロコシ」というイネ科モロコシ属の一年草で、金井神ほうきは、胴巻きの部分までホウキモロコシで編み込むという全国的にも珍しい形状の和箒です。
 　江戸時代中期の冬に旅人が金井神で一宿一飯を求め、翌年の春にお礼としてホウキモロコシの種と箒の作り方を伝授したのが金井神ほうきの始まりといわれています。夏に収穫したホウキモロコシを材料に、農家の冬仕事として長井に広まっていました。

金井神ほうき

seeds

　2017年、御息女の手引きもあり、長井ほうきの最後の組合員だった竹田惣一氏*からホウキモロコシの種を譲り受けました。村上家の裏にある畑にて栽培を開始。ホウキモロコシは、5月下旬頃に種を植え、7月下旬～8月上旬に収穫します。


*竹田惣一氏は、2018年ご逝去

ホウキモロコシの種

Winter work for artists 2018 summer

　失われつつある金井神ほうきについて広く伝える為、また調査を進める段階で気づいた現代社会の課題点について作品化。山形ビエンナーレに出展しました。
　金井神箒が衰退していった大きな理由は、生産者の減少と高齢化です。日本が戦後の高度経済成長期によって、箒を必要としない生活様式に変わり、冬仕事として出稼ぎに行く農家が増えたことに由来します。手間暇がかかり、質の良い箒であるのにも関わらず安価で販売され続けたことが、さらに継承者不足に拍車をかけたようです。
　そういった背景がありながら、2000年代ごろから伝統産業の復興ブームなどが起こり、行政の支援で、若手育成に力を入れていったようですが、結果は結びつかず、本気で継承する人材は生まれませんでした。
　金井神ほうきを巡る一連の流れが、シルバー世代が無意識的に若者たちへ負荷を与える社会構造を思わせることから、箒を逆ピラミッド型に吊るすインスタレーションを制作しました。展示に使用した約300本の金井神ほうきは、長井市民から譲渡または借用しました。その数の多さからは金井神箒に対する潜在的な渇望が窺えました。

山形ビエンナーレ2018

Winter work for artists 2019 summer

　金井神箒の販売を念頭に置き、安定したホウキモロコシの栽培と技術の向上に苦心。栽培に関しては、農家の方からさほど難しくないと言われましたが、本業が農家でないアメフラシメンバーでは、日々の水撒きや除草をすることさえ大変で、さらに間引きや株分けなど、畑仕事に慣れていない人でなければ戸惑うことが多く、探り探りの栽培でした。それでも、種植えから苗植えへの移行や植える間隔など、様々なシチュエーションを試し、最適な栽培方法を模索。毎年10本程度の座敷箒を製作できる数量の収穫が可能になりました。
　また製品化に当たり大きな障壁となったのは、金井神ほうきの生産が絶盛紀だった頃（昭和中～後期）に使われていた材料の殆どが廃盤となっていることでした。かつては材料を行商が売りにきていたとのこと。金井神ほうきを再現する上で、他の材料で代用していいものか。それとも現代に合わせた形で復元することが正解なのか。メンバー内で話し合い、今手に入る材料で新たな金井神ほうきとして生まれ変わらせることになりました。

ホウキモロコシの栽培と素材

Winter work for artists 2020 summer

アーティストの冬仕事　2020

Winter work for artists 2021 summer

アーティストの冬仕事　2021

Winter work for artists 2022 summer

アーティストの冬仕事　2022

Winter work for artists 2023 summer

アーティストの冬仕事　2023

Winter work for artists

Kosyauの壁 Cut out

<h2 id="h7ccf772865">ぼくらの文楽　-あむあむワークショップ-</h2>　草鞋づくりの基本となる「縄ない」を体験してもらうワークショップを実施しました。綯（な）った縄をアレンジして、オリジナルの一輪挿しを作りました。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/0c04d65758024f2f89ee1627e21490dc/ef3f8e4e94f744c3a12aa0884a19faf5/IMG_1351.JPG" alt=""> <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/0c04d65758024f2f89ee1627e21490dc/e459885896054e09be22eb55b21164bc/IMG_1384.JPG" alt=""> <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/0c04d65758024f2f89ee1627e21490dc/7751ad29df6d4b6ea6799fa5696638e1/IMG_1472.JPG" alt=""> <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/0c04d65758024f2f89ee1627e21490dc/64661b37a6ae4948b32861ae86098ceb/IMG_1552.JPG" alt=""> <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/0c04d65758024f2f89ee1627e21490dc/78204e0b39e64a63b03ee653910a8522/IMG_1570.JPG" alt=""> <h2 style="text-align:justify" id="h9707d3a59a">概要</h2>[ 開催概要 ]日時：2016年9月25日（日）場所：山形県長井市草岡322 西根児童センター遊戯室ゆめ授業主催：公益社団法人　長井青年会議所ぼくらの文楽主催：ぼくらの文楽実行委員会・西根地区公民館

ぼくらの文楽-あむあむWS-

地元で草鞋を作れる方から作り方をレクチャー。稲藁を叩いて柔らかくすることや、基礎となる縄ないを中心に教えていただきました。

地元の若月さんから草鞋づくりをレクチャー

山形県長井市の伝統行事「黒獅子祭り」 "稲作りから草鞋をつくる"映像作品「稲藁をつくる」 <a href="https://www.youtube.com/watch?v=CjTeaNQ1y2U" target="_blank" rel="noopener noreferrer">https://www.youtube.com/watch?v=CjTeaNQ1y2U</a> 草鞋作りの動画と、イラスト化した図解を作ったものの、草鞋の材料となる稲藁がないという課題にぶつかります。 昔の稲は丈が長く、また、手刈りで丈が長いまま刈り取っていましたが、現代では台風の被害から守るために稲が品種改良され丈が短くなり、収穫もコンバインで刈り取るため、短く粉砕してしまって草鞋に適した稲藁が取れません。 草鞋作りの名人である田畝さんは、草鞋用に、手植え手刈りの田んぼを用意していましたが、年齢や怪我により作業が困難になったことから引退されていました。ならば、この稲を育てることから伝統産業継承と考え、草鞋を必要とする地域の人が集まって、協力して一つの田んぼを管理するシステムを作ってはどうか。 アメフラシの提案に始めは難色を示したものの、草鞋を履きたい『獅子連』や地域の農家の方から実践してみたいという声が上がり、それに後押しされるように寿会（勧進代獅子連のOB）が納得。"草鞋を必要とする人達が、稲作りから草鞋を作る"というサイクルの実践と工程を含めた過程を映像化しました。

稲藁づくりの記録映像「稲藁をつくる」

山形県長井市の伝統行事「黒獅子祭り」 失われつつある草鞋の文化を後世に伝えるための貴重なインタビューと共に 草鞋の作り方を記録した映像作品。 <a href="https://www.youtube.com/watch?v=sA7kdXOzNho" target="_blank" rel="noopener noreferrer">https://www.youtube.com/watch?v=sA7kdXOzNho</a> 00：00～ オープニング 02：12～ インタビュー 11：30～ 縄ない 17：07～ 草鞋編み 35：47～ エンディング 撮影・編集・動画制作：アメフラシ　協力：勧進代寿会

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